「現金は王様」で一転 高配当株にマネー殺到
今は何と言っても「現金は王様」の時代だ。ここにきて市場のお気に入りだった自社株買いに積極的な企業よりも、高い配当を提供する企業が選好されており、「キャッシュ第一」の投資家心理を色濃く反映している。
安定した配当支払いを確約する企業にマネーが殺到する背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げと株式市場の低迷を受けて、手元に現金を確保しておきたいとの欲求が高まっていることがある。
ここ10年で最大とも言える不安定な値動きが続く中、投資家は通信大手AT&Tやたばこ大手アルトリアといった銘柄に資金を逃避させている。金利上昇、インフレ高進、成長減速への警戒から、株式市場は大荒れの展開が続いており、過去10年に市場を席巻してきた割高なグロース株――これまで配当ゼロか、ほとんど支払ってこなかった――には見切り売りが膨らんでいる。
新型コロナウイルス禍までの20年においては、自社株買いや配当支給に積極的な企業幹部は、株主から報われることが多かった。しかし最近では、かい離が鮮明になっている。
2020年初め以降、高い配当を支払っている企業は配当が低い企業をアウトパフォームし続ける一方、自社株買いを通じて積極的に株主に還元している企業は自社株買いに消極的な企業に比べて見劣りしている。クレディ・スイスが分析した。
ミラマー・キャピタルの創業者、マックス・ワッサーマン氏は「自社株買いと現金(配当)支払いの間で選べるなら、現金の方がいい」と話す。同氏は今年株主へのリターンを引き上げた物流大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)など、高配当の株式運用を担当している。
足元の変化は、投資家が将来の利益に対する期待よりも、安定したキャッシュ収入に対してプレミアムを支払っていることを示している。こうした傾向はインフレ退治に向けてFRBが積極的な利上げに乗り出したことでさらに加速した。インフレ高進と金利上昇は、将来的な企業利益の価値を目減りさせ、現在の現金価値を高める。
フリーキャッシュフローが潤沢な企業を組み入れた上場投資信託(ETF)「ペーサーUSキャッシュ・カウズ100ETF」は今年に入り約1%の値上がり。年初来2桁の下落率となっている主要株価指数とは対照的だ。
S&P500種指数構成銘柄で、高配当株の多くは市場全般を大きくアウトパフォームしている。AT&Tは今年に入り14%、アルトリアは12%、石油パイプライン会社オネオクは8.5%いずれも上昇。ファクトセットによると、3銘柄ともに配当利回りは5%を超える。S&P500は今年に入って17%下落で、弱気相場入りの瀬戸際にある。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによると、1-3月期(第1四半期)にS&P500構成企業による配当支払い額は過去最高となる1376億ドル(約17兆4500億円)に上った。同社のシニア指数アナリスト、ハワード・シルバーブラット氏は、4-6月期にはそれをさらに更新すると予想している。
また、S&P500高配当インデックスは今年に入り3.6%上昇する一方、S&P500自社株買いインデックスは13%下落となっている。
ハンティントン・プライベート・バンクのジョン・オーグスティン最高投資責任者(CIO)は、ここ数カ月はそれぞれの配当利回りがベンチマークを上回るまで高配当株を加える株式戦略に専念していると述べる。
「FRBが来年どう出るか分からない。そのため現金を確保しておきたい」
米大型株の間でも、配当の有無によって株価の明暗が分かれており、現金を求める投資家心理を反映している。
ビスポーク・インベストメント・グループによると、大型株で構成するラッセル1000指数構成銘柄のうち、昨年11月19日時点で配当上位企業の株価はその後の半年で平均4%値上がりした。これに対し、ラッセル1000の配当下位銘柄は同時期に平均29%下落した。
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~私見~
「キャッシュ・イズ・キング」は最近よく聞きます!
って聞いてないか。。。
ただキャッシュにしたい層は今かなり
いてそうで損を出してでもキャッシュを!!
って考えている人も多くいそう。
また逆にこの大きく値下がりしてる時こそ
チャンス!!ということで大きく
株式を買っている層も「現金こそ正義!」
ということで現金をかき集めて今のうちに
カネを資産に交換しています。
今年、高配当株式が調子が良いと
言われてても10年・20年後に高配当株と
グロース株を比較したら結局どっちが
リターンがいいんでしょうね??
なんやかんやでグロース株が圧倒的な
差で高配当株を凌駕していそうな気がします
なのでおナスは今日もレバナスを
せっせと積立しております!!
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