マスク氏に「いい加減にして」 ツイッター買収劇
イーロン・マスク氏のツイッター買収をめぐる数々の発言は、ツイッターの幹部や従業員をいら立たせているだけではない。同氏が率いる米電気自動車（EV）大手テスラの忠実な支援者の間にも不満が募る事態となっている。
テスラの株価は4月1日以降、一時は約30％も落ち込んだ。マスク氏のツイッター投資をめぐって「本当に買うのか」のドラマが展開され、最終的には440億ドル（約5兆6400億円）で買収することで合意が結ばれた。ハイテク株中心のナスダック総合株価指数は同じ期間に約15％下落している。
これまでの経緯は、マスク氏の一部ファンの間にも、同氏が手を広げすぎであるとの懸念を呼んでいる。マスク氏は一方で宇宙開発ベンチャー、スペースXを経営し、またトンネル掘削会社や脳にチップを埋め込む技術を開発する新興企業も立ち上げた。テスラの支援者の一部は、今度はツイッターに関与することで、同氏が集中力を保てなくなることを懸念している。
「彼が静かに手を引くことを願っている」。フューチャーファンドのマネジングパートナー、ゲーリー・ブラック氏はこう話す。ファクトセットによると、同社は約5000万ドル（63億7800万円）相当のテスラ株を所有する。ブラック氏は、ツイッターがマスク氏の注意力をそぎ、同氏自身が予想する以上に時間を奪われる可能性が高いと語る。
テスラの熱心なフォロワーが最近、マスク氏とツイッターの最高経営責任者（CEO）に向けてつぶやいた。「イーロン、ツイッターに気を散らすのは無用だ。テスラに集中しろ」
マスク氏は不安を鎮めるのに躍起となっている。「はっきりさせておこう。ツイッター買収に費やしたのは私の時間の（まさかと思うだろうが実際）5％にも満たない。ロケット科学とは違うのだ！」と先日ツイートした。「テスラは1日24時間、週7日ずっと、私の頭の中にある」
テスラはコメントの要請に応じなかった。
マスク氏の負担が重すぎる懸念は今に始まったことではない。同氏はテスラを時価総額で世界首位の自動車メーカーに育て上げる傍ら、スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ（スペースX）も経営している。
テスラの投資家たちはマスク氏のツイッター買収計画を段階的に消化している。同社株は4月1日（マスク氏がツイッター株を大量に取得したと明らかにする前の最終取引日）から4月25日（ツイッターがマスク氏の買収提案を受け入れた日）にかけて約8％下落した。ナスダック総合指数は同期間に約9％下落している。
テスラの混乱はさらに続いた。マスク氏はツイッターとの合意成立後すぐにテスラ株を約960万株（約85億ドル相当）売却した。その後もテスラ株の値下がりが続く中、同氏はツイッター買収に新たな疑念を投げかけ、偽アカウントを巡る懸念があるとして買収計画の「一時保留」を表明した。ただし買収には引き続きコミットすると付け加えた。
ツイッターは、合意に従って手続きを進めていると述べている。
マスク氏の資産はテスラ株が大半を占めるが、同氏は25日、ツイッターの買収資金として自らのテスラ株を担保にしたマージンローン（証券担保融資）には頼らない考えを示した。代わりにエクイティファイナンス（株式による資金調達）を増やす意向で、同氏は外部の資金支援を求めていくと述べた。
最近のテスラ株急落を受け、前出のブラック氏を含む一部の投資家は、テスラに自社株の買い戻しを迫っている。自社株買いは投資家に信頼感を与えるほか、発行済み株式数を減らして株価を下支えできる。テスラは今年1-3月期時点で、現金を約175億ドル保有していた。
テスラに自社株買いを検討中かどうかについてのコメントを求めたが、返答はなかった。ザカリー・カークホーン最高財務責任者（CFO）は4月、テスラの現金の長期的な使途を尋ねられた際、新しい工場と製品に投資していると述べた。
テスラの忠実な支持者のコメントがマスク氏の考えに影響しているのか、あるいは大株主の見解が反映されているのかを知る手がかりはない。
オハイオ州デイトン在住の心理学者でテスラ投資家のアール・バニング氏は、マスク氏のツイッター買収計画には気乗りがしないと話すが、テスラ株は売却していない。
「イーロンはこれからもイーロンのままだろう」とバニング氏は言う。「私は長期的な株主として、いずれ本来あるべき場所に戻ると思っている。彼らは自動車を売って利益を上げているのだから」
テスラの1-3月期（第1四半期）決算では利益が33億ドルとなり、四半期ベースで過去最高益を記録した。
テスラの投資家が消化すべき問題はツイッターだけではない。中国でのサプライチェーン（供給網）の障害と新型コロナウイルス感染再拡大によるロックダウン（都市封鎖）は、EV販売の足かせとなっている。上海工場で製造されたテスラ車の4月販売台数は1512台にとどまり、前年同月比94％減だった。
ファクトセットがまとめたアナリスト予想では、テスラの4-6月期の世界全体の納車台数は約29万2000台の見通しで、1-3月期の31万0048台から減少する。その通りならば、約2年ぶりに納車台数が前期比で減ることになる。
一方、マスク氏は政治にも一段と踏み込んだ発言をしている。党派色の強い攻撃が自身に向けられると予想し、共和党が前進するように投票するつもりだと述べた。
今月、ニュースサイト「インサイダー」はスペースXが2018年に客室乗務員（身元未確認）に25万ドル支払ったと報じた。マスク氏に対する性的に不適切な行為の訴えを解決するためだとしている。マスク氏はツイッターで反論し、「事実無根」だと述べた。
スペースXのグウィン・ショットウェル社長は、従業員に宛てたメールの中で、マスク氏に対する疑惑は誤りだと個人的に考えていると述べた。同氏もマスク氏も和解金が支払われたかどうかには言及しなかった。ショットウェル氏は同じメールの中で、スペースXはいかなるハラスメント（嫌がらせ）も許容しないと述べている。
テスラファンの中には、株価下落をチャンスと見なす人々もいる。シリコンバレーでテスラ・オーナーズクラブを運営するジョン・ストリンガー氏は、ここ数週間にテスラ保有株を増やしたという。
ストリンガー氏はマスク氏の予測不能なツイートと企業間の駆け引きについてこう述べた。「これは言ってみればお得意の領域だ」
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～私見～
ただでさえマスク氏は忙しい。
忙しいのにも関わらず様々なことに挑戦している。
それが一般人から見たら働きすぎなのかもしれないが
当の本人は気にならない程度の事かもしれない
ただ、テスラの株主はテスラだけに注力して
もっと株価を上げてほしいと願っている。
テスラはすごい会社になりつつある。か
既になっているのかもしれないがやはり
イーロンマスクという看板を外すと
一気に価値が減少しそうである。
そういったカリスマが舵を取る企業は
うまくいってるときはいいけど
ダメになった時に一気にダメになりやすい
テスラがどうなるかは分かりませんが
カリスマが引っ張っていい感じの時に
カリスマがいなくてもしっかり成長できる
ようにしておかなければならないんだろうな
と思ってるんだろうけど
なかなか上手くいかないんだろうね
<ｽﾎﾟﾝｻｰﾘﾝｸ>
