いちのりの資産運用日記

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【米国株関連ニュース】転職をやめた米労働者、「大退職時代」から一変

 

 米国人は2〜3年前に比べると仕事に対して落ち着きを取り戻している。

 新型コロナウイルス下で転職ラッシュが起きた「大退職時代」に比べ、自発的離職を考える米国の成人が減っていることが、数多くの調査で分かっている。また、仕事への満足度が高まっていることを示すデータもある。労働者へのインタビューでは、以前は転職を繰り返していた人々が、現在のポジションで生活のバランスが取れていることに満足していると答えた。

 一方、政府統計によると、転職しようとした場合は、労働需給のひっ迫や転職による昇給幅の縮小という現実に直面する。

 「いま求人に応募しても無駄骨を折るだけだ」。ロサンゼルスの企業でソーシャル戦略とコピーライティングの責任者を務めるヘザー・サンデルさん(39)は言う。

 現在のムードは、雇用情勢の過熱を背景に米国人が大量に離職したここ数年の傾向から大きく転換している。

 あまりにも状況が一変したため、職場にとどまり続ける新たな傾向を「ビッグ・ステイ」と名付ける労働経済学者もいる。

 サンデルさんは転職活動に1年余りを費やし、昨年10月に現在の職に就く前に、たった1度しか面接していないという。彼女は現在の会社も同僚も気に入っている。気のめいるオンライン応募手続きを再び経験したいとは思わないと話す。そうした手続きでは、大量の履歴書の中から人工知能(AI)やソフトウエアが優秀なものを選び出すことが多い。

 2人の子を持つ母親であり、組織心理学の博士課程に通う大学院生でもあるサンデルさんは、今ほど柔軟で仲間意識の強い職場環境を見つけるのは難しいとも話す。

 「『さあ子どもを迎えに行かなくちゃ』と言っても、誰も表情ひとつ変えない。信頼感の下で自立した行動がとれる」

置かれた場所で咲く

 職場コンサルティング・人材紹介会社ロバート・ハーフによると、4月に実施した調査では、今年下半期に転職活動を予定する人は米国の成人の35%で、1年前の49%から低下した。調査対象となった労働者1000人のうち仕事に満足していると答えた割合は77%、ワークライフバランスが良いとの回答は85%に上った。

 「人々は報酬に心から満足し、柔軟な働き方を非常に気に入っている。この2点が大きな原動力だ」。ロバート・ハーフの幹部ドーン・フェイ氏はこう述べた。

 米生保大手メットライフが成人労働者2800人を対象に行った別の最新調査では、73%が仕事に満足しており、1年前の69%から上昇した。

 米労働省のデータによると、1カ月以内に仕事を辞めた米労働者の割合は2022年4月に3%でピークに達した。多くの雇用主は人材確保のために給与を引き上げ、休暇を増やし、柔軟な働き方を認めるようになった。それ以降、離職率はコロナ前の水準を下回る2.2%まで低下した。今年はそこから横ばいで推移している。

かつてほど給与が伸びない転職者

 離職率低下と並行して起きているのが、ホワイトカラーの雇用減速と転職者の給与伸び悩みだ。

 アトランタ地区連銀の賃金トラッカーによると、2年前の夏、転職者の給与は中央値で8.5%上昇し、非転職者は5.9%上昇していた。今年3月時点で、転職者の給与は中央値で5.2%上昇し、非転職者は4.5%の上昇だった。

 「賃金動向は現時点での労働市場の信頼感と一致している。雇用ペースが減速しているため、それは理にかなっている」。ドイツ銀行の米国証券部門であるドイツ・バンク・セキュリティーズのシニアエコノミスト、ブレット・ライアン氏はこう指摘した。

 求人サイトのインディードに掲載される求人数はこの1年間で次第に減少し、新たな会社に移れる見込みは低くなっている。同サイト運営会社のチーフエコノミスト、スベンジャ・グデル氏はそう述べる。

 「求人がとにかく減った」とグデル氏は言う。「雇用主はもう人材獲得のために必死にならずともよい。賃金の伸びが落ち着いてきたため、転職への意欲も湧きにくい。『しばらくの間、ここでのんびり構えていよう』という気分になる」

 労働者へのインタビューやソーシャルメディアの投稿でも、何度も面接を受けた末に、ヘッドハンターや人事責任者とぱったり連絡が取れなくなる可能性を考えると、じっとしていた方がましだとの声がある。もっとも、多くの職種で応募手続きが自動化されているため、そうした気がめいる展開は少しでも誰かと関われた場合の話だ。

 

 意識の変化は、若い労働者の間でさらに顕著となっている。ロバート・ハーフの調査によると、Z世代で2024年下半期に転職活動を予定する人の割合は昨年の74%から44%に低下。ミレニアル世代では63%から45%に低下した。

 ニューヨーク州ビンガムトン在住のコリーン・ホレランさん(26)は、大学卒業後に就いた二つ目の仕事を2022年4月に辞めた。主な理由は年収5万ドル(約800万円)に満たない給与だった。転職後、検索エンジン最適化(SEO)アナリストの仕事で66%の年収増を実現し、リモートワークが可能な環境を手に入れた。約1年後、彼女はシニアアナリストに昇進。給与は25%近く上がった。今年も大幅昇給を見込んでいる。

 「私にはそれが着実かつ持続可能でまっとうな方法だ」と彼女は言う。「積極的に転職を考えるようなことはない」

 勤め先は小さな企業のため、スキルを伸ばすチャンスに恵まれている。ヘッドハンターは今も接触してくるが、ホレランさんによると、今の職場で得られるような給与、柔軟な働き方、学習と能力開発の組み合わせを提供するところはないという。

 転職する気になるためには、何が必要だろうか。ホレランさんはこう答えた。「本気で検討するには、現在の収入の50%以上かそれに近いオファーが必要だ」

 

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いちのりのつぶやき

最後の26歳の方が年収800万に満たないので仕事を辞め、次のところでは66%年収が上がり、さらに1年後25%上昇した。で、次に転職するのなら現状の50%以上アップしなければ考えない。。。とのことだがなんか世界が違うっていう感じですね。仮に転職前が750万だったとして今の年収は1,550万円くらい?で次は50%アップだから2,000万円以上ってなりますね(;^_^A それだけ優秀な方なんでしょうけど日本だとここまで劇的に給料が上昇するなんてほんの一部なんだろうな~と思います。

 

私は大学卒業後、新卒で入った会社を1年半くらいでやめてからずっと転々としてきました。ほとんどが派遣社員だったので年収もあがらず、ボーナスもなくって感じでしたが35くらいの時に今の会社に入りようやく転々とすることがなくなりました。ボーナスももらえるようになりましたが、おそらく同じ年齢層の方々よりは年収はすくないんだろうと思うけど派遣で働いていた時より大幅には上がっているので自分としては満足しています。

 

就職氷河期世代として良くない生活環境、先のない未来みたいな感じで記事にされることがよく目にしますが、それはどの世代でも当てはまる問題であり何も氷河期世代だからって思う事はありません。確かに大学卒業時に厳しかったことはあったと思いますが、その後の頑張り次第ではいくらでも巻き返すチャンスってあったと思いますし、いつまでも氷河期世代なんで。。。って強く思ってる人ほどそこを拠り所にして生きていたんだろうな~と思います。

 

話がだいぶ逸れちゃいましたが、アメリカみたいな変動の激しい労働環境はそれはそれで大変そうですけど、日本はあそこまでダイナミックな感じになってほしくないなと思った次第です。

 

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