いちのりの資産運用日記

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【NASDAQ100関連ニュース】アマゾン、財務部門で生成AIの利用拡大

 

米インターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムは、多くの企業が生成AI(人工知能)のテストや実験から本格的な活用へと効果的に移行する方策を模索する中で、財務部門全体で利用を拡大している。

 アマゾンは当初、ルールベース型のシステムを採用した。これは同社の財務部門での問題解決や意思決定に一連の規則を使う、AIの最も初期の形態の一つで、その後に機械学習で強化された。生成AIは現在、より複雑な分析で財務部門の従業員を支援している。

 アマゾン幹部によると、同社の財務部門は、不正行為の検知や契約の審査、財務予測、従業員の生産性、規則や規制の解釈、税関連の作業といった分野で生成AIに頼りつつある。コスト削減のほか、効率性や正確性の向上などがその目的だという。これらの活用事例には、実験段階のものと実施段階のものが混在している。

 アマゾンのデーブ・ジョージ財務テクノロジー担当副社長は「実験を行い生成AIについて理解することは、われわれがまさに加速したいと思っていることであり、実際にこれを展開して十分にコントロールされた状況にあると確認することは、極めて重要だ」と述べた。

 アマゾンは焦点をAIイノベーションに移しつつある。直近の四半期には、クラウドコンピューティング部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の貢献で同社全体の売上高が急増した。

 アマゾンは、技術インフラ、特に生成AIの取り組みに投資するため、今年のキャッシュによる設備投資が大幅に増加するとの見通しを示している。同社の第1四半期のキャッシュでの設備投資は139億ドル(約2兆2300億円)と、前年同期比6%増加した。同四半期のAWSの売上高は、アマゾン全体の売上高1433億1000万ドルの17.5%を占めた。前年同期は、全体の売上高1273億6000万ドルの16.8%をAWSが占めていた。

<AIによる価値創出>

 ここ数カ月で、生成AIの方向性を探ってきたさまざまな業界の財務担当幹部による発言のトーンが変わってきた。彼らは技術の進歩に強い関心を寄せていたが、その応用方法や価値創出について真剣に検討する段階へと移っている。ハイテク最大手の一部は、生成AIの導入をより積極的かつ能動的に続けている。

 アマゾン社内の税務担当者もこの技術を活用している。同社の税務コンプライアンス(法令順守)チームは生成AIを利用したツールを作成し、付加価値税の請求書の確認を支援するのに使っている。付加価値税は、企業がモノやサービスを生み出す際、さまざまな段階で通常支払うものだ。

 ジョージ氏によると、チームが請求書を受け取ると、支払い前に、このツールが自動的に請求書の正当性をチェックする。これらの請求書を手作業で確認する代わりに生成AIを使うことで、チームはこのプロセスを自動化できるという。

<多くの活用事例>

 生成AIは、アマゾンとサプライヤーや顧客との間の多くの契約の精査にも役立っている。契約を結ぶ際には、まず特定のツールを使い、アマゾンの標準的な参照データや規約、契約履歴などを考慮して必要な変更点を判断する。その後AIが重要な情報を抽出することで、人の手による精査の効率を上げる。

 ジョージ氏は「人間は非常に込み入った契約内容のすべてを読み込むことはできないため、AIの介入が助けになる」と語る。同氏は、財務部門の二つのAI作業グループを率いている。そのうち一つは、イノベーション、もう一つはセキュリティーに関するグループだ。

 アマゾンでは、金融取引に関する大量のデータセットを使ってAIモデルを訓練することで、不正取引や異常な状況を検知し、発生を防ごうとしている。AWS最高財務責任者CFO)を務めるジョン・フェルトン氏によると、こうしたモデルを利用すれば、人間では発見がほぼ不可能なパターンや異常を特定することができるという。

 フェルトン氏は「こうした不正検知能力の強化は、われわれの収益を守るだけでなく、コンプライアンスの徹底にも寄与する」と述べている。同氏はジョージ氏とともに、アマゾンのブライアン・オルサフスキーCFOの監督下にある。オルサフスキー氏は2015年から同社のCFOを務めている。アマゾンは、AIによるコスト削減の推定額についてコメントしなかった。

 こうした取引関連の管理過程に、生成AIと検知した事象の理解と説明を可能にするモデルが組み込まれるケースが増えている。ジョージ氏によれば、従業員は生成AIの助けでリストアップされた最もリスクが高い取引の精査に集中できるようになったという。

 「人間は今、以前よりはるかにやりがいのある仕事をしている」とジョージ氏は語った。

 米調査会社ガートナーのシニアディレクターで、財務分野のAIを専門とするマーク・D・マクドナルド氏によると、企業財務へのAI導入例として今後有望な分野は、特定のデータを検索するための複雑なクエリの作成だ。例えば、メキシコの新規顧客がその後1カ月以内に注文を出した場合に、その顧客への売り上げ情報を素早く取得できる機能などが挙げられるという。

<AI導入ペースは遅く>

 だが多くの企業で、財務部門へのAI導入ペースは、営業やマーケティング、カスタマーサポートといった他の業務部門に比べて遅い。マクドナルド氏は「財務の仕事は数字の分析を基本としており、生成AIは言語の分析を基本とする技術だ」と指摘。機械学習は数字の分析により適していると述べた。 

 アマゾンは、独自の大規模言語モデルをゼロから開発している数少ない企業の一つだ。AWSによれば、数万社がAWSのAIアプリケーション構築プラットフォーム「ベッドロック」を使っているという。ほとんどの企業は、オープンAIなどの企業が提供するモデルを有料で利用し、必要に応じてそれらモデルを微調整するか、オープンソースのモデルを使って独自の生成AIツールを構築している。

 フェルトン氏によれば、AWSの従業員はベッドロックのAIアプリケーション構築機能を文書作成や会議内容の要約に使い、日常業務の自動化を図っているという。

 生成AI活用の大きな利点の一つは、従業員がスキルを広げ、主観にとらわれない思考が必要となる業務に取り組めるようになることで、個々の従業員の生産性を向上させる機会が生まれることだとジョージ氏は指摘する。あらゆる業界において、企業の経理・財務部門は以前から、反復作業が多い分野だ。

 だがジョージ氏は、生成AIが雇用の保障に影響を及ぼす可能性について、従業員から「もっともな懸念」が寄せられていることも認めている。「企業の観点と人間としての経験という観点の両面から見て生成AIの利点を引き出す上で、最適解があると考えている」と同氏は語った。

 

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いちのりのつぶやき

現在、株式市場でいちばん熱い単語『生成AI』正直、いちのりはchatGPTも触ったことないのでよく分かっておりませんが、けっこう浸透してきてるんでしょうか??肌感覚ではまだほとんどの企業が生成AIを利用していないと思われますが、それでこれだけの株価上昇しているのを見ているとそれは単なる期待先行なのか、これから更に爆上りするかは判断の分かれ目ですね。直近だとスマホが世に出始めた頃はスマホなんて。。。っていう層が大勢いた。今やスマホなくては生きられない人もいるくらい肌身離さずっていった代物になっている。

 

AIも今はまだ話題先行型で関連銘柄の株価がすこしお祭り状態ではあるので今後何度かは大きな下落が待ち構えているかもしれないが、それでも着実に生成AIを業務に利用する企業は増えていく知らない間に生成AIがないと仕事が回らないってことになっているのかもしれない。今も十分高い株価は更に高くなるかもしれないが、もしかしたら今ぶいぶい言わせている企業ではない他の企業が台頭しているかもしれない。なので個別株も大事だがETFなどでバクッと買っておけば大丈夫?なのかなと思っていますがどうでしょうね???

 

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