ネトフリ、コスト削減であの手この手 社員特典も制限
米動画配信大手ネットフリックスは会員数が伸び悩む中、経費節減のためあの手この手を講じている。事業全般を対象に、コスト削減の余地を探っている。
不動産関連ではオフィスの閉鎖、福利厚生では社員特典の制限、クラウドコンピューティングを巡ってはコスト管理の強化、採用では若手を増やすことなど、支出を減らすためにさまざまな手段を活用している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした
ネットフリックスは4-6月期(第2四半期)に会員数が100万人近く減少。その要因として競争の激化を挙げた。今年は400人超の人員削減に踏み切り、新たな映画やテレビ番組への支出は一定水準にとどめる方針を示している。財務規律を強化する中で、コスト削減の取り組みは事業の隅々にまで及んでいる。
ネットフリックスでは急成長が長く続いてきたため、コスト管理の優先度は低くなっていた。大小さまざまな支出に注意を払い始めたことは、社内文化の大きな転換とも言える。
米アマゾン・ドット・コムのクラウド事業「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」との提携を巡っては、増大するコストの管理強化に取り組んでいる。ネットフリックスは今後3年間で世界全体で会員数を5億人まで増やす考えで、コスト膨張を抑える狙いがあると関係者は語る。
ネットフリックスが検討している対策には、世界各地で保管する複製データやコンテンツの数を減らすことが含まれているという。同社はサービスの信頼性が重要との考えから、クラウドとネットワークのインフラにこれまで多額の費用を投じてきた。
人材の採用では、インターンや大学新卒者など若手を増やしている。これまではエンジニアを中心に、経験者を採用する傾向が顕著だった。関係者によると、若手重視への変更によって、一部の職務で給与水準を引き下げ、経験豊かなスタッフが複雑な業務に集中できるようになると見込まれている。
コスト削減は福利厚生にも及ぶ。社員が注文できる自社ブランドのグッズを巡り、ここ1年で制限が設けられた。これまでは無制限に注文できたコーヒーカップ、トレーナー、ベビー服などのグッズが、現在は年間の上限が300ドル(約4万3000円)分に定められているという。
ネットフリックスの2021年の営業費用は前年比15%増の235億ドルだった。番組制作や給与、コンテンツ配信への支出が増えたことが要因だ。同社は映画やテレビ番組の制作に多額の費用を投じており、コンテンツ予算はここ数年着実に増加している。
ネットフリックスのスペンサー・ニューマン最高財務責任者(CFO)は4月、コンテンツと非コンテンツ関連の支出を抑える方針を明らかにした。売上高の伸びについての「現実を反映させる」と述べ、堅実に対応する考えを示した。
不動産分野では、ユタ州ソルトレークシティーのオフィスを閉鎖し、従業員には在宅で仕事をするよう通知したと関係者は語る。カリフォルニア州のロスガトスとロサンゼルスのスペースも手放すという。
ソルトレークシティーのオフィスでは長年、法務関連やカスタマーサポート支援のスタッフが働いていた。ネットフリックスは数年前にカスタマーサポートのコールセンター機能を外部に委託している。ソルトレークシティーで働いていた従業員の多くは、今年に入ってからの人員削減の一環でレイオフされたという。
Copyright (c) 2022 Dow Jones & Co. Inc. All Rights Reserved.
~私見~
イケイケの時は経費はガバガバになりやすい。
ただ、イケイケがイケイケではなくなった時には
そのガバガバな経費の負担は急に重くなる。
ネットフリックスもイケイケガバガバから
急激に絞っているが経費を絞るのは急を要するし
なぁなぁでやってたらその間もどんどんと
現金が流出していく。なので今回の処置も
中で働く人々にとっては働きにくさが増えて
居心地が悪くなったかと思うが、早めに対処
しておかないとそもそも席自体なくなる。
利益の1ドルと節約の1ドルは同じ1ドルでも
イケイケの時は利益に目が行ってしまう。
ネットフリックスが再び飛躍するためにも
今はしっかりと体力温存に勤めて
次の大きく飛躍できる機会を待って欲しいなと
思いますね。
<スポンサーリンク>