半導体業界、幅広い需要減退に備える
半導体業界は、ノートパソコンの売り上げが大幅に減少する中、困難な時期に備えていたが、より幅広い急激な景気減速に適応しようとしている。
米半導体大手マイクロン・テクノロジーのマーク・マーフィー最高財務責任者(CFO)は9日、「市場はわれわれが考えていたよりも悪い」と述べた。ジョー・バイデン大統領は同日、国内での半導体開発・生産に500億ドル余りを割り当てる投資計画法案に署名した。
ただマーフィー氏は、直近見られる短期的な懸念の兆候として、自動車メーカーは約2年間にわたり半導体の供給確保に苦労してきたが、ここにきて慎重になりつつあることを挙げた。「より広範に弱さが見られるのは確かだ」と述べた。
パソコンやグラフィックカード、ビデオゲームに関連する売り上げ減速を背景に半導体メーカーからは悪いニュースが相次いでいる。インテルが2週間前に発表した四半期決算は赤字となり、市場に衝撃を与えた。通期見通しも下方修正した。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も控えめな見通しを発表。画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディアは売上高が自社予想を下回るとの見通しを示した。
一方で、2020年代終わりまでに半導体の売り上げが2倍超になるという長期的な見通しがあり、新工場に数十億ドルを投じ、成長を促進させる計画もある。
クアルコムは8日、半導体受託生産大手グローバルファウンドリーズと2028年まで40億ドル余りの生産能力を確保する契約を締結したと発表した。マイクロンは9日、今後10年間での1500億ドルの世界的投資計画の一環として、米国で最先端メモリーチップ製造に400億ドルを投資すると明らかにした。インテルは、アリゾナ州の施設を拡張し、オハイオ州に新工場を建設中で、その他のプロジェクトも含め、すべてが完了すれば数千億ドルの費用がかかる可能性がある。
ただ半導体業界は、現在の落ち込みがどの程度広がるかを見極めようとしている。半導体業の業績が好調だった分野の1つはサーバー用チップの需要だったが、この分野でも警告信号が点滅している。エヌビディアは、データセンター事業がサプライチェーンの混乱で打撃を受けたと述べた。インテルは先月、PCとサーバーチップ部門の不振を受け、通期の売り上げ見通しを下方修正した。バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ビベック・アリヤ氏は、企業の買い手や中国のクラウドコンピューティング顧客からの需要に「弱さのポケット」があると指摘した。
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~私見~
先々の需要はありそうだけど足元は微妙。。。
これが半導体企業の今の見通しですが、かといって
何も設備投資しなければ他の企業に置いていかれますし
半導体ってすぐにフル生産体制に取る事って
難しいとか聞いたのでいい塩梅で生産調整しながらも
次世代の技術の追求をして、それなりの
需要に対応していかなければならないので
非常に繊細な経営のかじ取りが必要そうですね。
一環として補助金もだしているし、今後重要だという
認識を持ってても間違いではないと思います。
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