いちのりの資産運用日記

積立投資しながら大暴落を待ち望むオトコの投資人生

米国株関連ニュース【今の流行はグリーン水素?】

クリーン水素に大企業も巨額投資、経済性向上で

 

大手企業や投資会社が、気候変動に関する最も厄介な問題の解決を約束する企業に狙いを定め、その勝者がもうけを手にする可能性に賭けている。

 最新の賭けの対象となっているのは、急成長中のクリーン水素産業に革新を起こそうとしている米ネブラスカ州のスタートアップ企業モノリスだ。同社は、自動車タイヤなどの日常品に不可欠な材料を製造することで、天然ガスを使用しながらも炭素をあまり排出しないプロセスを用いている。

 モノリスには、米投資会社ブラックロックや米電力大手ネクステラ・エナジーなどが3億ドル(約408億円)以上を投じており、同社は10億ドル以上の評価を受けている。これ以外にも、今夏は水素をエネルギー転換の柱にしようとする取り組みに資金が殺到している。

 この1カ月に、インドの大富豪ゴータム・アダニ氏が運営するコングロマリット(複合企業)が、仏トタルエナジーズと手を組み、グリーン水素に今後10年間で500億ドルを投資することを明らかにした。英BPは、オーストラリア奥地で計画されている300億ドル超のプロジェクトに多額を出資した。英シェルは、欧州最大の再生可能水素プラントを建設する計画だ。また、この分野のスタートアップ企業は米投資会社TPGやアマゾン・ドット・コムなどから数億ドルを調達した。

 今年の株式市場は不安定であるにもかかわらず、投資家は大気中の炭素除去やより優れたバッテリーの製造など、地球温暖化の最小化に不可欠とみられる分野に資金を投入している。バッテリーメーカーのクアンタムスケープのような上場企業の株価は、年初来50%以上も下落しているにもかかわらずだ。

 アナリストは、化石燃料からの脱却が困難な分野で水素が利用できることを長年期待してきた。海上や陸上輸送、コモディティー(商品)生産、航空などの分野だ。しかし、コストが高過ぎる上、必要な水素を製造するのに十分な再生可能エネルギーがなかった。水素は依然、天然ガスと蒸気を組み合わせて製造されており、化学的精製や肥料の原料となるアンモニアの生産に使用されている。

 しかし、企業に対する二酸化炭素(CO2)排出量削減へのプレッシャーの高まりや、風力・太陽光発電コストの低下で、グリーン水素の経済性は変化した。さらにロシアのウクライナ侵攻に伴う化石燃料や肥料の不足が、最近の水素ブームを解き放った。

 多くの企業は、機械を使用して水を水素と酸素に分解し、水素製造に伴うCO2の排出をなくしている。しかし、産業が成熟しない限り、このプロセスはコストが高く、非効率的な状態が続くとアナリストはみている。

 モノリスは、こうした問題の回避を目指している。ネブラスカ州ハラムにある同社の工場では、水を分解する代わりに、再生可能な電力を使用して天然ガスを加熱し、水素とカーボンブラックに変換している。カーボンブラックは、ゴムや塗料などの日用品に使用される原料だ。二つの製品を作ることで電力を効率良く使用することができ、コスト競争力を高められると同社は述べている。

 また、炭素を地下に埋めるのではなくカーボンブラックを製造するのも、このプロセスのユニークな点だ。多くのエネルギー企業は、天然ガスから水素を製造し、それに伴う炭素を回収・貯留することを提案している。しかし、炭素の回収と貯留は現時点ではコストが高く、現実的でない場合が多い。

 モノリスの水素の製造方法は、従来の手法よりも排出量を約95%削減できる。今後、ごみ処理地や動物の排せつ物、植物から発生するガスを利用し、その数値を高めることを目指すという。十分な量のガスがあれば、このプロセスで発生する以上の炭素を大気から取り除ける可能性がある。

 同社のロブ・ハンソン最高経営責任者(CEO)によると、水素業界は数年前の風力・太陽光発電業界と同じく、技術が向上しコストが低下する前の段階にある。同氏は「今は本格的な産業になりつつある」とし、「初期の受け入れ段階を乗り越えた最新の段階だ」と述べた。

 太陽光業界のエンジニアだったハンソン氏は、10年前にモノリスを共同創設したが、当時はまだこのような方法で水素を製造する企業はほとんどなかった。現在では、スタートアップ企業や独化学メーカーBASFなどの業界大手数社が、同様の技術を追求している。ネブラスカ州のトウモロコシ畑の近くにあるモノリスの工場は、農家と安価でクリーンな水素との関係を強調するもので、水素はアンモニアに変換し肥料の製造に使用できると同氏は話す。

 

モノリスの資金調達は、TPGの気候変動ファンドと、ブラックロックシンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングス合弁会社デカーボニゼーション・パートナーズが主導している。過去にはネクステラ、韓国のコングロマリットSKグループ、三菱重工業も出資している。こうした資金により、同社はこの分野で最大規模のスタートアップ企業の1社となっている。

 デカーボニゼーション・パートナーズを世界的に統括するメーガン・シャープ氏は「彼らは競合他社よりも先行しており、規模を拡大する準備ができている」と述べた。

 モノリスは、先に発表された米エネルギー省の10億ドルの融資を受けるための条件を年内に満たし、2026年までに最初の大規模施設を完成させる予定だ。ハンソン氏は、他にもパートナーとのプロジェクトがいくつか進行中だと述べた。

 各国政府は、民間からの支出を補強している。米国で昨年成立した超党派のインフラ投資法案には、水素プロジェクト向けの数十億ドルの予算が盛り込まれた。米エネルギー省は最近、三菱重工グループの米国法人とプロジェクト開発会社に対し、ユタ州のグリーン水素プロジェクトの開発に5億ドルの融資を決めた。そのプロジェクトには、巨大な岩塩空洞を使用した地下貯蔵設備も含まれる。両社によると、空洞には何カ月も水素を貯蔵でき、風が吹いていないときや太陽が照っていないときに、米西部の電力供給を安定させるために利用できる。長期的なエネルギーの貯蔵は、ウクライナ戦争を受けて検討されている新たな水素の応用法の一つだ。

 「これまでに起こったことはパラダイムを変え、経済性の問題は『10年先』の問題ではなくなっている」。この分野に特化した運用資産17億ドルのファンドHy24の最高投資責任者を務めるアミール・シャリフィ氏はこう話す。「一部の場所には既に存在している」

 

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私見

化石燃料はそのうちなくなって、代替エネルギーの時代が

やってくる。。。数年前からしきりに言われてますが

また石油・石炭・天然ガスの依存度は大きい

 

それらをクリーンエネルギーに置き換えるのには

もっと時間が必要かもしれないが、

着実に進んでいるのは確かそうだ。

 

結局、化石燃料よりも安価で供給が安定してて

地球環境にやさしければOKということで

問題を超簡単に考えれば解決目標はあるが

それを解決されるのが難しいんでしょうね

 

ただ、科学の進化もあり、そういった代替案の

製造・供給が簡単になれば今度こそ化石燃料からの

脱却は図れそうですね。

 

1つ注意をするのであればこういった新エネルギーが

騒がれるようになればまたそれを扱ったような

手数料のバカ高い投信が出ると思うので

それだけは気をつけましょうね(-_-;)

 

・・・って調べたら既に投信がありました(;^_^A

 

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