いちのりの資産運用日記

積立投資しながら大暴落を待ち望むオトコの投資人生

米国株関連ニュース【そろそろ株価下落に慣れた?】

インフレと景気後退、希望的観測に要注意

 

――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター


 インフレ率はピークをつけた。米連邦準備制度理事会FRB)は金融引き締めの任務を完了。力強い労働市場個人消費の基調により、リセッション(景気後退)に陥ったとしても緩やかなものにとどまるだろう。

 これはここ数週間の株式市場に追い風を提供した見立ての1つだ。その結果、FRBがソフトランディング(軟着陸)を達成するとの期待が高まった。具体的には、失業率の大幅上昇や景気後退入りを招くことなく、インフレ率を2%に回帰できるという展開だ。

 何より、現実を直視することが適切だ。ソフトランディングは確かにあり得るが、こうした見立てはFRBの仕事ぶりを厳しく評価するというよりは、希望的観測に近い。検証してみよう。

<インフレの脅威は去った> 

6月の米インフレ率は9.1%と、40年ぶりの高水準を更新したが、インフレに対する市場心理は先月初旬以降、著しく改善している。ブルームバーグコモディティー指数は2022年のピークから18%低下。銅価格は33%、木材は54%、北海ブレント原油は22%いずれも下落した。物価連動国債(TIPS)の価格動向に基づく向こう5年のインフレ期待は6月初旬以降、0.4ポイント低下。その後の5年では0.5ポイント低下した。いずれも足元では2〜2.5%のレンジに収まっており、FRBが目標とする2%近辺で推移している。

 では、インフレの脅威は去ったのか。答えはノーだ。債券やコモディティー(商品)市場のインフレ期待が上がるよりは、下がった方が望ましいのは確かだ。とはいえ、FRBは実際にインフレ鈍化を確認したいとの意向を鮮明にしており、インフレに対するセンチメントの改善だけでは不十分だ。

 ガソリン価格が安定化ないしは下落し、サプライチェーン(供給網)の混乱解消がモノの価格を抑えるのに伴い、総合インフレ率は今後数カ月に低下するだろう。だが、問題はインフレ率が9%を割り込むかどうかではなく、さまざまな供給ショックが収まった時にどこで落ち着くかだ。言い換えれば、インフレ率の基調トレンドがどこにあるかになる。単一の指標からそのトレンドを把握することはできないが、各月最も変動の大きい項目を除いて算出するダラス地区連銀のトリム平均個人消費支出(PCE)価格指数は妥当な推定値を提供する。5月は4%と、FRBの目標の2倍だった。

 セントルイス地区連銀の研究からは、原材料価格は基調インフレ指標にほぼ全く影響を与えていないことが分かった。これにはもっともな理由がある。原材料は総コストのほんの一部しか占めていないためだ。木材価格は昨年、ピークから安値まで7割近く下げたが、住宅価格は着実に切り上がった。

FRBが焦点をインフレから景気後退にシフト> 

 資源価格の下落や債券利回りの低下は、世界経済が今後弱含むことを暗示している。それを踏まえ、投資家は次のようなシナリオを想定するかもしれない:FRBは十分に金融引き締めを行った。今後はインフレ退治から景気後退の回避へと重点を移す。FRBはあなたの友人だ。だから、株式を買おう。

 これはインフレ率が2%前後で推移するのが当たり前で、景気を減速させてまでインフレ抑制に取り組む必要のなかった2021年前の思考回路だ。つまり、景気後退は常に、金融引き締めの行きすぎか、不十分な金融緩和による「政策ミス」の結果だった。成長が弱まる、あるいは金融システムが正常に機能しなくなると、FRBは利下げや債券買い入れ、あるいはその両方に着手することで、急いで支援に回った。こうしたFRBの姿勢は、投資家を損失から守るプットオプションになぞらえ「Fedプット」と呼ばれるようになった。

 しかしながら、そのいずれも今の状況には当てはまらない。基調インフレは2%を大きく上回っており、押し下げに向けて景気後退入りが避けられないとすれば、不幸だが政策ミスではない。オプション取引の用語にならえば、Fedプットはオプションの権利を行使した場合に損失が出る「アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)」に陥っている。ラグラム・ラジャン元インド準備銀行(中央銀行)総裁は今月、英銀スタンダードチャータード主催の会議で「市場が崖から大きく転落し(中略)FRBにとって金融セクターの修復が最大の問題に発展しない限り、手を緩めることはない」と述べている。

 

<金融政策は引き締まり> 

 FRBは利上げを継続する姿勢を明確に示すことで、債券利回りと住宅ローン金利を1994年以来最も大きく押し上げた。そのため金融政策は明らかに引き締まった。だが、実際のところ、本当に引き締まっているのだろうか。これを見極めるのに1つの目安となるのが、名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利だ。ただ、実質金利はインフレがどうなるかに左右される。かつては2%と想定することでき、その場合、現在の債券利回りは歴史的にはなお低水準ながらもプラス圏となり、FRBは(引き締め)完了に近づいているかもしれない。だが、将来のインフレ率が4%なら、実質の債券利回りはなおマイナス圏から脱出しておらず、FRBはまだやるべき仕事が残っている。

<力強いファンダメンタルズで景気後退は緩やかに> 

 家計資産は過去最高水準にあり、手元資金は潤沢だ。過去3カ月の就業者数の伸びも110万人と雇用市場は非常に引き締まった状態にある。こうした強固なファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)により、景気後退に陥っても深刻化しないと指摘するエコノミストや政策担当者は多い。

 ところが、こうした理論には2つの問題がある。まず、景気後退の深刻度はファンダメンタルズではなく、インフレがどこまで長引くかによって決まる。FRBはインフレ率を確実に押し下げる水準まで需要を冷やすため、利上げを継続しなければならない。ファンダメンタルズが力強いということは単に、FRBが望んだ影響を需要に及ぼすまで一段と金利を引き上げる必要があるということだ。実のところ、FRBの引き締め打ち止めへの期待から株価が値上がりする度に、FRBによる引き締め継続の可能性はむしろ高まる。株価上昇は消費者の資産と信頼感を押し上げ、結果的に需要を刺激するためだ。

 2つ目として、ファンダメンタルズはそこまで力強くないかもしれない。インフレ高進によって貯蓄や収入は目減りしている。就業者数データが示すほど雇用市場が強固ではない可能性もある。別途行われている家計調査では、過去3カ月に雇用は減少した。失業保険申請件数も通常なら景気後退時に見られるようなペースで増加している。

 それでも、ソフトランディングが起こらないというわけではない。異常とも言える経済の特徴が幾分こうした方向に向かっていることを示唆している。供給と労働力における制約は物価上昇に桁外れの影響を与えており、その制約が解消されれば、今度は正反対のことが起こり得る。賃上げペースの鈍化はコストへの圧力を低減するだろう。とはいえ、当面これらは推測の域を出ず、FRBが現実を好むことは確かだ。

 

Copyright (c) 2022 Dow Jones & Co. Inc. All Rights Reserved.

 

私見

直近のCPIで9.1%と出たが株価は反応しなかった。

1~2日遅れて下がるかと思ったがそうでもなかった

 

かといってこれから上がるかと言えばそうも言えない

来週早々には7/15の上昇分以上に下げるかもしれない

 

結局株価ってファンダメンタルも重要視されるが

そのファンダメンタルを投資家がどう捉えて

どう行動を起こすかによって変わると思う。

 

今回のようにCPIが高くても投資家が

株を売らなかったり、株を買ったりすれば

当然株価は上昇していく。

 

逆にインフレが急速に終息して

利上げは当面ないということが分かったら

普通であれば株価は上昇するんでしょうが、

株を売る人が多く、株を買う人が少なければ

株価は先に出た情報は織り込まず下がります。

 

そしてその投資家心理は市場の思っている通りには

動かないこともあり、時として行き過ぎる事もある

 

株価が瞬時にすべての物事を織り込んで

正しい価格を反映しているとは思えないが、

その歪みが利益の源泉になるので基本的には

おナスは株価だけを見ています。

 

ただデイトレやスキャルみたいに動体視力で

判断して行動できないので長期投資に

なるんですけどね。。。

 

 <スポンサーリンク>