いちのりの資産運用日記

積立投資しながら大暴落を待ち望むオトコの投資人生

米国株関連ニュース【勢いはよかったが・・・】

ロビンフッド、熱狂と暗転の2年

 

米オンライン証券会社ロビンフッド・マーケッツほど、過去2年の市場の狂乱を体現している企業はないだろう。

 新型コロナウイルスパンデミック(世界的大流行)当初に投資革命を引き起こし、数十年ぶりにトレーディングをクールなものへと変えた。アプリの使いやすいインターフェースは、何百万人もの米国人を株やオプション、暗号資産(仮想通貨)の売買に夢中にさせた。猛烈な強気相場が、多くの投資初心者の取引を勝利に導いた。

 顧客にとっての好機は、ロビンフッドにとっての好機でもあった。顧客の取引が増えれば増えるほど、ロビンフッドの収入も増えた。昨夏までには、入金済みの口座数が2200万以上に達し、全米各地にオフィスを構え、新規株式公開(IPO)を準備していた。

 しかし、うたげは終わりを告げた。

 1年足らずで、成功の多くに陰りが見えてきた。1-3月期(第1四半期)の月間アクティブユーザー数は、昨年の四半期ベースのピークから25%減少。売上高は47%減とさらに急減した。株価は先週、過去最低水準まで下落し、昨年7月のIPO価格から81%低い水準となった。現在は急成長からコスト削減に重点を移しており、今年に入って人員を9%削減した。

 規制当局とも衝突している。米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は先日、同社のビジネスモデルの一部を脅かしかねない取引ルールの改正案を明らかにした。

 市場調査・助言会社アルファキューション・リサーチ・コンサバトリーの調査担当ディレクター、ポール・ローディ氏は「さまざまな事態が重なり、ロビンフッドの台頭と同社への注目をあおることになった」と指摘。「この1年で、逆のことが起こっている」と述べた。

 ウォール街では、証券会社の好況がいつまでも続くと予想する人はほとんどいなかった。しかし、ロビンフッドは大半の企業よりも大きな打撃を受けている。現・元従業員、顧客、アナリストによると、ロビンフッドを築き上げた要因――特に、強気市場と投機的取引を楽しむ投資家――は、株と暗号資産の下落によって、今や同社の中核事業を脅かす要因となっている。ロビンフッドは今後どうなるのか、といぶかしがる向きもある。

 ロビンフッドの最高仲介業務責任者を務めるスティーブ・クワーク氏はインタビューで、2020年と21年の爆発的成長により、本来なら長期プロジェクトに投資していた多くのリソースを消費することになったが、開発中の新製品の「健全な」供給パイプラインがあると述べた。同社は今年、市場開始前と終了後の取引時間を延長し、新しいデビットカードなどの製品を投入したほか、同社幹部によると、新しい退職金口座の追加に向けて取り組んでいる。クワーク氏は、そのような機能があれば、ロビンフッドは既存の顧客を利用して成長し、売り上げを上げることができると話す。

 「顧客のためにどのような機能を構築できるか? また、そうする上で、どのようにすれば売り上げが均等に分散された企業になれるか?」とクワーク氏は述べた。

「常軌を逸した増加」

 パンデミックが始まった当初、数百万人の米国人が市場のボラティリティーをうまく利用しようとロビンフッドに殺到した。彼らは、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に基づいて、あるいは単に興味本位で、さまざまな証券の大口取引と小口取引の双方を楽しんだ。やがて、ゲームストップやAMCエンターテインメント・ホールディングスなどのミーム(はやりネタ)株を買いあさり、強気のオプション取引に興じるようになった。ロビンフッドのユーザーは、冗談で始まった暗号資産「ドージコイン」を熱烈に支持し、同社のアプリが昨年、一時的に機能停止に陥るほどだった。

 ロビンフッドは、株やオプション、暗号資産などに対する顧客の注文を超高速取引業者(HFT)に回し、その見返りにリベートを受け取ることで収入の大部分を得ている。こうしたペイメント・フォー・オーダー・フロー(PFOF)と呼ばれる慣行を用いることで、顧客は証券会社に手数料を支払わずに株の売買ができるようになっている。これはロビンフッドが開拓した仕組みで、後に他社が模倣した。同社は、他の証券会社よりもこの収入に大きく依存するようになっていた。

 何百万人もの顧客の注文に対するHFTからの少額の支払いが積み重なり、山となっていった。公開書類によると、ロビンフッドが絶頂だった2021年4-6月期(第2四半期)までに、同社の売上高は5億6500万ドル(約769億円)に達し、その8割を株やオプション、暗号資産に対する顧客の売買注文の回送で得ていた。昨年第2四半期のドージコイン関連の売上高は約1億4500万ドルと同期の総売上高の約25%を占め、株式取引による収入を上回った。

 

ロビンフッドは、需要増加に対応するため人員も増強した。「(ロビンフッドという)船を航行させ続けることが、全員の仕事かのように感じられた」。同社の元ソフトウエアエンジニアで、今年退職したジョシュ・コクレル氏はこう述べた。「顧客もサーバーへの要求も、常軌を逸した増加を見せていた」

 共同創設者のブラッド・テネフ、バイジュ・バット両氏の主導で毎週行われていた全社会議は、会社の成長を示す図表でしばしば埋め尽くされた。複数の元従業員によると、さまざまなプロジェクトの進ちょくが「赤」「黄」「緑」に色分けで共有された。また、俳優のジャレッド・レトアシュトン・カッチャーなどの著名人がサプライズでバーチャル会議に登場することもあったという。

 多くの社員が寛大な株式報酬を受け取っており、新規株式公開(IPO)後に株価が急騰していれば、大金を手にすることができていただろう。ロビンフッドIPOを実施した2021年7月29日、一部のスタッフがニューヨークの金融街に集結した。テネフ氏とバット氏は、「Welcome to the new Wall Street」(新しいウォール街へようこそ)と書かれた看板の前で写真を撮った。

 同社株価はその日、IPO価格から8%余り下落して引けた。その後、同社株は下落基調をたどっている。

 最近の市場の暴落前から、同社の成長には亀裂が入り始めていた。2021年序盤のミーム株やドージコインの急騰時には、同プラットフォームの新規入金済み口座数とアクティブユーザー数が急増したが、昨年後半には市場の投機熱が冷めるにつれ、月間アクティブユーザー数が減少し始めた。

 ロビンフッドの株価が低迷する中、全社会議では新しい製品ラインの展開や成長鈍化への対応策について質問が飛んだ。会議に出席した複数の元従業員が明らかにした。また、「柴犬」コインのような話題性のあるデジタルトークンを取引する機能を提供していないことについても、疑問が提示されたという。同社は今年4月、柴犬コインを取引できるようにした。

 前出のクワーク氏は、同社は新しい事業を進めていると述べた。同社は今年、顧客がデジタル通貨を送金しやすくする機能を加えたほか、取引の端数をドル単位にまで切り上げ、その追加分を投資に充てられる新しいデビットカードを導入した。4月には、英国を拠点とする暗号資産会社ジグルとの買収合意も発表した。これにより、国際展開が可能になる。

 クワーク氏は「そうした(顧客の)全てのニーズに対応した機能を構築することで、それに関連した収入を得られる」と述べた。

 4月に行われた直近の決算説明会では、テネフ最高経営責任者(CEO)が同社は「攻勢をかけ、突き進む」一方で、経費にもっと注意を払っていると述べた。同氏は16日に開かれた全社会議で、さらなる人員削減の可能性を排除しなかった。会議の概要について説明を受けた複数の関係者が明らかにした。

買収のうわさ

 ロビンフッドの将来にまだ賭けようとしている投資家もいる。暗号資産業界の大物の一人が5月、同社のクラスA株7.6%と引き換えに、約6億4800万ドルを出資することを明らかにした。その大物とは、暗号資産取引所FTXを創設した富豪のサム・バンクマンフリード氏だ。

 同氏はインタビューでこの投資の主な理由について、ロビンフッドの株価バリュエーションの低下と復活への見込みを挙げた。

 「見事に返り咲くことは現実的にあり得る」。同氏はそう述べ、サービスメニューと国際事業の拡大の可能性について言及した。

 また、ロビンフッドと事業で手を組むことにも前向きな姿勢を示した。FTXは自社の人気アプリに株取引機能を追加しており、ロビンフッドは暗号資産関連のサービスを拡大している。

 ロビンフッドの暗転や業界の競争激化を受け、市場関係者の間では同社が買収の標的にされるのではとの臆測が何カ月も前から飛び交っている。競合のTDアメリトレードとイー・トレードは、既にチャールズ・シュワブとモルガン・スタンレーにそれぞれ買収されている。

 バンクマンフリード氏を含む外部の投資家は、ロビンフッドに積極的な買収を仕掛けたり、事業改革を要求したりするのは難しいだろう。同社は二重株式構造により、共同創設者に議決権の過半数を与えているためだ。

 クワーク氏は、共同創設者は会社のミッションに専念し、社内の人々と共に会社を作り上げることに打ち込んでいると述べた。

 

規制上の新たなハードル

 ロビンフッドが現在抱える規制上の難題は、何百万人もの投資家を同社に引きつけることになったゲームストップ騒動に端を発している。ミーム株取引の急増を受け、SECは1年にわたる株式市場の構造見直しに乗り出した。特に重点を置いたのが、個人投資家の取引の扱いだ。

 ロビンフッドの主な収入源となっている顧客注文のHFTへの回送は、議論を呼んでいる。ゲンスラーSEC委員長をはじめとする批判的な向きは、この慣行は利益相反に満ちており、小口投資家の注文の大部分を処理する少数の大手の支配に拍車をかけていると指摘している。ロビンフッドは、注文をHFTに回送する方が証券取引所に送るよりも投資家にとって得だと述べている。

 ゲンスラー氏は先日、現行システムの大幅な改革案を明らかにした。その一つは、投資家の株式の売買注文をオークションにかけ、各社が執行を競うという案だ。このほか、取引所での株式の最低価格単位の引き下げや、注文回送に対するリベートの支払いによって生じる利益相反の軽減なども盛り込まれている。

 クワーク氏は、改革案が同社の事業にどの程度の影響をもたらすかを判断するのは時期尚早だと述べた。しかし、ロビンフッドの取引を執行するマーケットメーカー(値付け業者)の利益が抑制され、その結果、ロビンフッドに対するリベートが削減される可能性があるとアナリストはみている。

 ロビンフッドの今年1-3期売上高の12%が、改革案の対象となる株式の注文回送によるものだった。SECは、同社にとってはるかに大きな収入源であるオプションの注文回付については、リベートの見直しは示唆していない。

 たとえSECが注文回付に対するリベートを制限したとしても、ロビンフッドは収入を稼ぐ方法を見つけられそうだ。同社のジェーソン・ワーニック最高財務責任者CFO)は、そのような措置が取られれば、注文をHFTに回送せずに、買い手と売り手の取引の突き合わせを「内部化」し、同社自体が行うようになる可能性があることを示唆した。

 証券会社やトレーディング会社の経営陣やアナリストの多くは、ゲンスラー氏の提案が法廷で異議を申し立てられるとみている。彼らは、株式市場は小口投資家にとってうまく機能しており、改革は必要ないと主張している。SECはコメントを控えた。

 ロビンフッドのダン・ギャラガー最高法務責任者は文書で「米国の個人投資家は、かつてないような効率的で低コストな投資環境を享受している」とし、「われわれはSECの最終的なルール案を検討し、SECと関わることを楽しみにしている」と述べた。

 

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私見

業種は違いますがなんか「いきなりステーキ」が

急激に店舗拡大した後にポシャって萎んだのと

おんなじ感じがします。

 

調子のってみたけど、調子に乗り過ぎた・・・って

感じなんですがロビンフッドは別に事業の縮小は

していないのかな?

 

結局この会社も売り上げはどんどん

上がってるけど儲かっていないから

化けの皮がはがれた感じになってるし

ミーム株みたいなのがどんどん上がるような

相場環境ならいいけど猫も杓子も全部

”売り”って時にはロビンフッドを利用している

投資家は投資家ではなく「投機家」だろうから

評価損でにっちもさっちもいかない

状態に陥ってるんでしょうね

 

また、どんな株や暗号資産でも持ってたら暴騰する

相場環境が来るまでは我慢を続けないと

いけないけどそれまで会社が存続してるんかな?

 

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