いちのりの資産運用日記

積立投資しながら大暴落を待ち望むオトコの投資人生

米国株関連ニュース【中国での経営の難しさ】

中国でウォルマート苦戦 消費者は何が欲しい?

 

 米小売りチェーン大手ウォルマートは1996年、香港に隣接する中国・深センに初出店した。それ以来、正しい戦略を見いだそうと試行錯誤を重ねている。

 ウォルマートは中国で成長してきたが、競合他社と比べるとそのペースは遅い。同社は当初、大型スーパーマーケットによって中国の小売業界でリーダーになることを期待したが、何年も中国勢に対して苦戦を強いられている。

 近年は米中両国の議員から圧力を受けてもいる。両国間の緊張が高まっているためだ。

 ウォルマートは数年前、規制当局との関係改善を目指して中国事業の少数株式売却を模索した。だが現在、中国戦略を見直しつつある。

 ウォルマートの経験は、国家主導を強め、景気が減速する中国で、同社のような巨大企業のリソースをもってしても欧米企業が成功することの困難さを浮き彫りにしている。

 中国のゼロコロナ政策は国内企業、外国企業の双方に打撃を与えている。中国の4月の小売売上高は前年同月比で11%余り落ち込んだ。

 ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は、上海のロックダウン(都市封鎖)が解除される前の5月半ば、アナリストとの電話会議で「外国でのわが社最大の弱点は、中国の新型コロナウイルス流行に伴うロックダウンに関連している」と述べていた。中国事業を巡り、ウォルマートは幹部への取材を許可しなかった。

 中国政府が経済への介入を一段と強めていることが新たな不確実性を生んでいると、在上海米国商工会議所の元会頭、ケネス・ジャレット氏は指摘。「新たな政策が警告なしに実施され得る」という。

 例えば中国で人気のフルーツ、紅ナツメは新疆ウイグル自治区で生産されている。強制労働が行われているとして、西側の人権団体や政治家が中国当局を非難している地域だ。

 中国はそれを否定している。それでも米国は、自国企業に新疆産品の輸入を禁止している。

 ウォルマートは昨年、中国国内で展開する会員制大型店サムズ・クラブで新疆産の紅ナツメなどの製品を販売するのをやめ、一部の商品パッケージから新疆の文字を削除した。同年12月、同社のオンラインストアから新疆産品がなくなっていることに中国の消費者が気づき、ソーシャルメディア上で激しい怒りが巻き起こった。

 批判が高まるにつれ、中国当局は異例にもウォルマートが過去に犯した違反を公表したが、ウォルマートは沈黙を貫き、新疆産品に関してコメントすることはなかった。

 ウォルマートの売上高全体に中国が占める割合はごく小さいものの、中国の小売市場はずっと同社の野望の重要な部分であり続けた。英国やブラジル、日本での事業を売却する中で、中国事業は守り続けている。

 その理由の一つは、中国は広範にわたる製造業、調達先の拠点であり、ウォルマートが米国内やその他の国々に低価格製品を出荷する上で欠かせない存在となっていることだ。同社の戦略に詳しい複数の人物が明らかにした。中国事業はまた、小売りや電子商取引(eコマース)のトレンドについていくのに役立っているという。

 中国市場に参入した25年余り前、ウォルマートは米国流のアプローチをとった。物流網を整備して大型店をいくつも展開し、名の知られた製品を低価格で提供した。

 上海出身のジャン・ジアウェイさん(29)は子どもの頃、週末にウォルマートに連れて行ってもらい、親が買い物をしている間、通路を走り回っていたことを思い出す。

 ジャンさんは現在、生活必需品が必要なときは、アリババグループ傘下のスーパー「盒馬鮮生(フレシッポ)」に行く。品ぞろえやレイアウトが頻繁に変わるので行くのが楽しいと言う。

 同スーパーの売りの一つは、迅速な宅配サービスだ。30分以内に届けてくれる。

 「ウォルマートに行っても面白くない」。企業で営業・マーケティングの責任者を務めるジャンさんはこう話す。「レイアウトや商品がほとんど変わらない」

 市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、ウォルマートは中国で10年前は大型スーパー運営規模で2位だったが、昨年は4位に転落した。

 サムズ・クラブはこれまでウォルマートにとって希望の星だった。会員制は高所得層が高級品を手に入れるためのニッチ市場を開拓した。だがこの7四半期、大型スーパーへの客足が細っている影響で、サムズとオンライン経由での売り上げ増による効果が薄れているとウォルマートは述べている。

 財務報告書によると、ウォルマートは昨年、中国事業の刷新で大型スーパー約400店舗のうち40余りを閉鎖した。経営陣は「長期的に見て、中国での大型スーパーの役割とは何かを真剣に考えている」と、国際事業部門CEOのジュディス・マッケンナ氏は投資家との会合で述べている。

 

 中国には現在、サムズ・クラブの店舗が約36店あるが、年内に45店に増やす計画だという。

 サムズ・クラブのモデルでは会費が主な収益源で、売上高1ドル当たりの収益では大型スーパーに劣る。過去13四半期のウォルマートの中国での売上高総利益率は低下している。サムズ・クラブの売上高と、同様に1ドル当たりの収益が少ない傾向にあるオンライン売上高の全体に占める割合が大きくなっていることが一因だ。

 ウォルマートは2016年、中国で独自に電子商取引プラットフォームを構築するのを断念した。代わりに、中国電子商取引大手JDドットコム(京東)とその子会社の株式を取得し、プラットフォームのほか、実店舗とオンライン両方での配送を委ねた。

 ウォルマートは中国の一部小都市でも店舗を展開しており、JDを通して1時間以内の配達も行っている。また、オンラインで注文された商品を適切なタイミングで届けるため、商業スペースを借りて物流センターとして利用する「ダークストア」の導入も試験的に行っている。

 中国でさまざまな規制の壁に直面する中でも、産児制限の手段であるコンドームの販売では店舗ごとに許可を得なければならない。コンドームは医療用具と見なされるためだ。許可が下りるのに何年もかかることがあると、元幹部らは言う。

 中国で展開する約400店舗が抜き打ち検査を受ける回数は、米国内に5000強ある店舗のそれよりも多いと関係筋は明かす。その一人によれば、ウォルマートのような外国の小売企業を頻繁にチェックするのは、規制当局が検査の合格率を上げるためだと中国の検査員らはほのめかしているという。

 新疆が問題になる以前の8年前、ウォルマートは新疆産品について、現地化への取り組みの成功例として大いに宣伝した。サムズ・クラブの幹部は2014年の報道資料の中で、新疆の紅ナツメの生産地には雪解け水が引かれ、日照時間は長く、糖度が最大限引き出されると述べていた。

 ウォルマートは昨年、自主的に自社のサプライチェーン(供給網)から新疆産品を一部除外した。紅ナツメのほか、クルミとグリーンレーズンを他の地域で生産されたものに代えた。

 ジョー・バイデン米大統領は12月23日、新疆の強制労働による製品の輸入を企業に禁じるウイグル強制労働防止法に署名。その約1週間後、中国の汚職監視機関は新疆産品を排除しているとしてウォルマートを非難、消費者のボイコットに直面しかねないと警告した。

 中国での政治リスクを減らすため、ウォルマートは近年、少数株式を売却することについて協議していた。事情に詳しい複数の人物が明らかにした。その一人によると、中国競合大手やインターネット企業、政府とつながる金融複合企業への株式売却が検討されたという。そうした模索は2020年初めにコロナ感染が拡大し始めて中断した。

 ウォルマートは長期にわたって中国にとどまりたいはずだと元幹部らは言う。同社は小売りと製造の両面で政府との関係にこれまで投資してきた。また、中国は電子商取引のアイデアを得る実験の場でもあると、かつて同社の中国オンライン小売り事業を率いたジョーダン・バーク氏は指摘する。

 「何が起きているのかを理解するために中国にいることは(ウォルマートの)リズムの一部だ」

 

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私見

入り込み過ぎたせいで今苦労している。

そんな感じでしょうか?しかも撤退するにも莫大な

お金がかかるからそうやすやすと撤退もできない。

 

そうこうしている内に中国ビジネスは儲からないものに

なり株主からの圧力が強くなる。

実店舗経営の会社はフットワークがどうしても

遅くなりがちなのでずっとそこで上手いこと

経営できるならいいけどそうでなければ投資を

回収する前に終わってしまう事もありそうですね

 

マクドやスタバも店が多いけどなんかあった時には

今回のロシアみたいに撤収もできず

そのままロシアに接収されてしまうこともあるので

怖いなぁと思います。

 

こんなややこしい国である中国での営業を

まだとどまりたいと思っているウォルマート

大丈夫なのか??問題の先送りなのか?

 

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