まいど~ 『おナス』です。
世界的に半導体不足と言われていますが
その一方で半導体は供給過剰になっているという
話もちらほら聞いたりします。
どっちが本当なのか??
半導体不足、チップ製造装置用チップも足りない
自動車生産に打撃を与え、電子機器を値上がりさせ、世界中の首都でサプライチェーン(供給網)を巡る懸念をあおっている半導体チップの供給不足に、新たな頭痛の種が加わっている。業界幹部によると、チップ製造装置に必要なチップが不足している。
世界で最も複雑かつ繊細な製造工程の一つであるチップ製造に使われる装置の納入までの所要期間が、ここ数カ月で長期化している。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の初期は、発注してから装置を受け取るまでにかかる「リードタイム」は数カ月だった。それが現在、場合によって2〜3年にまで延びているとチップや装置のメーカー幹部は話す。以前に発注した製品の納入も遅れているという。
その結果、3年目に突入している世界的なチップ不足の迅速な解消への期待は、薄れつつある。ノートパソコンなどチップを必要とする機器の需要急増というパンデミック時代の異例の出来事として始まった事態が、業界の構造的な問題へと発展している。今や多くのチップメーカー幹部が、この問題は2023年と24年、あるいはそれ以降も続くとみている。
半導体受託生産(ファウンドリー)大手グローバルファウンドリーズのトム・コールフィールド最高経営責任者(CEO)は「2022年末には供給と需要が均衡するだろうとの希望的観測がある」とし、「私には、そうは思えない」と述べた。
新たに製造されたチップの機能をテストする装置を手掛けるアドバンテスト米国子会社のダグラス・ラフィーバ最高経営責任者(CEO)は、同社の装置の標準的なリードタイムは2倍以上になっていると話す。
同社のテスト装置には約25万個の部品が使われており、そのほんの一握りでも供給が不足すれば、遅れが生じかねない。
「標準的なリードタイムに完全に戻るまで、かなりの時間がかかりそうだ」とラフィーバ氏は述べた。
チップ製造装置を含むあらゆる電子機器のデータを処理するマイクロコントローラーチップのメーカー、マイクロチップ・テクノロジーのガネーシュ・モルシーCEOは、同社では現在、パンデミック当初に医療機器メーカーにしたように、チップ装置メーカーを優先顧客として扱っていると話す。
「装置メーカーが特定のマイクロチップが制約要因になっていると特定した場合、当社の優先リストの最上位に載せるようにしている」とモルシー氏は述べた。
チップメーカーは、半導体装置メーカーへの納品を優先すれば、供給不足の緩和を早められると主張し、そのような優遇措置を求めている。
最近の業界白書では、そのような「乗数効果」のメリットを論じている。その分析によると、高度なテスト装置1台には、製造後に再プログラム可能な特殊なチップが80個必要だが、その装置はその後、同チップを毎年32万個製造するのを助けることになる。
頭痛の種は装置だけではない。チップメーカーは、新工場の労働者の採用難や半導体製造に必要不可欠な化学物質のサプライチェーン問題、チップと回路基板をつなぐ「サブストレート」の不足が、半導体の相対的な不足をさらに悪化させていると指摘している。
一方で、需要はほとんど衰える気配がない。チップ業界の売上高は昨年初めて5000億ドル(約65兆0700億円)を突破し、2030年までには約2倍になると予想されている。
チップのリードタイムは依然、歴史的に最長の水準にある。サスケハナ・フィナンシャル・グループの推計によると、4月の平均リードタイムは6カ月以上と、前回の好況期のほぼ2倍に達した。
コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーのチップ技術を専門とするパートナー、ピーター・ハンベリー氏は、業界の一部では年内に不足が緩和される可能性があると話す。自動車メーカーなどを悩ませている旧世代のチップを製造する新工場が稼働し、その分野の供給制約が緩和される可能性があるという。ただし、より高度な電子機器の心臓部となる最先端チップの供給は依然、厳しい状況が続くと同氏は予想している。
世界で最も先進的で高額な部類に入るチップ製造装置を製造しているオランダのASMLホールディングのピーター・ウェニンクCEOは、需要が供給を上回る状態が「来年まで続く」と最近発言している。
同社はサプライヤーと協力し、需要に見合うだけの装置を製造できるよう取り組んでいるが、それが実現するのは2025年以降になる見通しだ。また、需要を満たすだけの装置が納入されても、チップメーカーがそれらを全面的に使用し始めるまでには時間がかかる。
装置の納入問題は、既に一部企業の売り上げに響いている。世界最大のチップ製造装置メーカーの一つ、ラムリサーチのティム・アーチャーCEOは4月、部品不足によって、旺盛な需要の恩恵を十分に受けることができないと述べた。
こうした装置不足の背景には、チップメーカーが拡張計画に着手し、チップ製造装置に対する需要が急増していることがある。ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は昨年、製造能力拡大に向け2024年までに1000億ドルを投じる計画を明らかにした。
売上高で米最大のチップメーカーであるインテルは、向こう10年で数千億ドルをかけて米アリゾナ、オハイオ両州とドイツに工場を建設する計画だ。
インテルのパット・ゲルシンガーCEOは最近、需給が均衡するのは2024年になるとの見通しを示し、わずか数カ月前の予想を1年遅らせた。「装置不足によって、当初想定していたペースで業界全体が供給を拡大できなくなっている」と同氏は述べた。しかし、インテルの新工場に関する計画は変わらないとした。
こうした現状を受け、経営陣はより長期的に計画を立てるようになっている。米ノースカロライナ州に本社を置くチップメーカー、ウルフスピードのグレッグ・ロウCEOは、同社が最近ニューヨークに開設した工場では、同社のチップが広く使用されている電気自動車(EV)の充電システムに対する需要を取り込むため、能力増強のペースを当初の計画よりも早める狙いだと述べた。
現在のリーダタイムを踏まえると、ウルフスピードは将来の拡張に関する決断を早める必要が出てくるとした。
業界団体SEMIによると、2020〜24年にかけて世界で90以上のチップ工場が生産を開始する見通しだ。製造装置1台が数千万ドルもする業界としては、その数は非常に多い。SEMIによると、供給問題にもかかわらず、世界の装置売上高は今年、1000億ドルを超える見通しだ。多くの業界のベテランが、この大台の突破にはもっと時間がかかると考えていた。
「5、6年前なら、750億ドルでも無理だと言っただろう」。チップ製造装置最大手アプライドマテリアルズに25年勤めたSEMIのサンジャイ・マルホトラ市場情担当副社長はこう述べた。
パンデミック時の需要急増は緩和され、インフレが個人消費を下押ししている。ただ、EVへの移行や産業オートメーションの拡大、スマートデバイスの普及といった長期的な市場の変化が工場の能力を逼迫(ひっぱく)させ、チップ不足を長引かせているとチップメーカー幹部は指摘する。
「需要は、われわれが穴から抜け出すチャンスを与えてくれるところまでは来ていない」とマイクロチップのモルシー氏は話す。「穴は四半期ごとに深まる一方だ」
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~~私見~~
ま、読んだ感想としては「半導体需要衰えず!!」って
感じですよね!?
半導体技術も日進月歩で進化を続けており
たいした半導体でなければその内解消するけど
今後ますますハイテクの進化によってより
凄い能力を持つ半導体の開発や生産は続く
ものであると考えると
『半導体作り過ぎて在庫ダブついたわ~』って
なる気配がないのかなと思っている。
当然誰でも?どこの国でも作れそうな
汎用性の高い半導体は誰でも作れる反面
すぐに値崩れや在庫過多に陥ってしまいそうだけど
一部の会社・一部の国でしか作れない半導体
であればずっと成長し続ける事ができるのなら
衰え知らずなんではないかと思ってしまします。
ということで、現在売りに売られている
SOXLですが頑張って保有し続けたいなと
思いました。
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